パクリ全開の音楽

最近世間をにぎわせた話題の一つに「オリンピックのエンブレム問題」があります。
東京オリンピックのエンブレムのコンペで選ばれた作品が、ベルギーのデザイナーのものと酷似していたというこのニュース。ネット上ではここから飛び火して他ジャンルにおける「オマージュ」や「パクリ」の問題に言及しているものも見受けられます。
私が知っている事として、ダンスミュージックにおける「パクリ」「サンプリング」について書いてみたいと思います。
ダンスミュージックの世界で作品制作に大きな影響を与えた機材の一つにサンプラーがあります。人の声や楽器の音色など外部からの音源を取り込めるこの機材。ヒップホップやハウスのトラックメイカーは昔のレコード(主にジャズやファンク、ディスコなどのブラックミュージック)からのサンプリングを自身の曲に使いまくりました。
元ネタが分からないほど細かくエディットされたサンプリングであればともかく、ハウスやテクノなど「四つ打ち」と呼ばれるジャンルからは、サビの部分、ひどい場合は一曲丸々サンプリングして、自分が作ったリズムに乗っけるような作品が多く出回りました。
当然そんなものはメジャー流通できる訳もなく、インディーのレーベルや、「ホワイト」と呼ばれるレコードの型番以外はほとんどほとんど無印の状態でリリースされていました。
中には問題になったモノも当然あったでしょうが、そういった作品が多く作られていた背景には、ダンスミュージックにおけるDJの存在やリミックスという文化が関係していたと思います。
DJは2台のターンテーブルを使用して途切れなくレコードをプレイしていきますが、時に片方のレコードのリズムの上に片方のレコードのアカペラを乗っけるようなこともします。ホワイトはこれを一曲の作品として音源化したものとも言えます。
また、ある作品を素材として他のアーティストが新たに別の曲として仕上げるのがリミックスです。このリミックスを「勝手に」やってしまったのがホワイトだったりもします。
他ジャンルの音楽を素材としたホワイトは別にして、このリミックスとDJの存在によって「ダンスミュージック」の世界においては大胆なサンプリングが許容されている部分はあると思います。
しかし、これも「ある界隈における暗黙の了解」と「著作権所有者の許容」あってのものです。私はこうしたかつてホワイトが出まくっていた時代の音楽にどっぷり浸かっていたので感覚が麻痺していましたが、今回のオリンピックの問題を見て「やっぱりダメだよな、パクリは」と少し考えを改めました。

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